食道アカラシア等に対する経口内視鏡的筋層切開術

経口内視鏡的筋層切開術(POEM)が先進医療として認められました。

先進医療の名称 食道アカラシア等に対する経口内視鏡的筋層切開術
適応症 食道アカラシア、食道びまん性けいれん症等の食道運動機能障害を有するもの(食道の内腔が狭窄しているものに限る)
主な内容
【先進性】
経口内視鏡で筋層切開術を行うことにより、外科的治療と同等の根治性で低侵襲な治療が可能になる。当院では、同治療の開発者である昭和大学横浜市北部病院の井上晴洋教授の協力の下、2010年11月に第一例目を行い、以後継続した臨床を行ってきた。
【概要】
食道アカラシアとは、下部食道の狭窄により食物の通過障害、嘔吐、胸痛、誤嚥性肺炎などを生じる。下部食道のAuerbach神経叢の変性消失が主因と考えられており、薬物療法、内視鏡的バルーン拡張術、ボツリヌス菌毒素局注療法、外科的治療(筋層切開、噴門形成術)などが行われている。外科的治療が最も恒久的な治療法と考えられており、現在低侵襲な腹腔鏡下手術が行われているが、腹壁に数カ所の皮切をおく必要がある。また、経腹的な筋層切開の場合、筋層切開長は最長でも7cm程度に制限される。このことから、食道の広範囲にわたる異常運動を伴う「びまん性食道けいれん症」などは適応となりにくい。この治療法は、外科的治療と同等以上の根治性をもつ低侵襲治療法として、経口内視鏡的筋層切開術(Per-oral endoscopic myotomy; POEM)の臨床を行ってきた。POEMでは、筋層切開の長さを可及的に延長できるので、食道アカラシアのみならずびまん性食道痙攣症にも適応が可能である。
【効果】
従来の標準的治療である外科的治療(腹腔鏡下Heller手術)と同様の手技をより低侵襲な経口内視鏡で行うことにより、短期間での回復と早期社会復帰が可能となる。また、腹腔鏡では困難であった10cm以上の長い筋層切開も可能である。
【先進医療に係る費用】
158,000円

年月日 平成26年2月1日
実施診療科 消化器内科