臨床研究の情報公開


本院で小児期に内視鏡検査を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ
~電子カルテ上の臨床情報の医学研究への使用のお願い~

【研究課題名】
小児消化器内視鏡検査におけるチアミラールの有効性と安全性に関する検討

【研究の対象】
 この研究は以下の方を研究対象としています。
2010年6月~20243月に当院で内視鏡検査を受けられた16歳以下の患者

【研究の目的・方法について】
 若い方に発症する難病である炎症性腸疾患やアレルギー性消化管疾患の患者数が近年急増していることに伴い、小児期に消化管内視鏡検査を必要とする患者さんが増えています。内視鏡検査は時に苦痛を伴いますが、小児患者さんに内視鏡検査を行う場合、二度と内視鏡検査を受けたくないという精神的なトラウマを残さないため、麻酔薬で鎮静を行うことが多いです。したがって、小児期の患者さんにどのような鎮静薬を使えば安全で苦痛なく検査を行えるかということが非常に重要となります。しかし、現状のガイドラインにおいても小児期の内視鏡検査における鎮静薬の選択に一定の見解は得られていません。
 当院では小児患者さんに対しては消化器内科医と小児科医が協力して内視鏡検査を行っています。鎮静薬としてはミダゾラムやチアミラールを用いています。ミダゾラムに関してはこれまでその有効性や安全性に関する研究がなされておりますが、チアミラールに関してはデータが限られているのが現状です。
 本研究では、小児期に内視鏡検査を受けた患者さんから得た電子カルテ上の診療情報と検査記録を用いて、チアミラールの有効性と安全性を調査します。チアミラールの有効性と安全性が証明されれば、将来、小児患者さんに安全で苦痛の少ない内視鏡検査を実施することが可能になると予想されます。

研究期間:2024年4月23日~2025年12月31日

【使用させていただく情報について】
 本院におきまして、小児期に消化器内視鏡検査を受けられた患者さんの診療情報を医学研究へ応用させていただきたいと思います。使用する具体的な情報は以下の通りです。
使用する情報:年齢、性別、身長、体重、BMI、全身状態の評価、基礎疾患、アレルギーの有無、検査種別、検査目的、検査機器、最終診断、検査時間、覚醒時間、検査に伴う合併症の有無と内容、治療経過の内容、消化管内視鏡検査の結果、腸管洗浄剤の種類、鎮静薬の種類、投与量、鎮静深度、偶発症、中途覚醒の有無、併用した鎮痛薬の種類・投与量、手術歴、癌合併の有無。
なお、本研究に患者さんの診療記録(情報)を使用させていただきますことについては、本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、特定の個人を識別できないよう加工したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】
診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。

【外部への情報の提供】
本研究で収集した試料・情報を他の機関へ提供することはありません。
診療情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
  大分大学医学部消化器内科学講座 小坂聡太郎

【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来新たな検査法などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
 
【研究資金】
 本研究においては,公的な資金である大分大学医学部消化器内科学講座の寄付金および基盤研究費を用いて研究が行われます。

利益相(りえきそう)(はん)について】
 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

【研究の参加等について】
本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。
                   
【研究組織】
          所属・職名          氏名
研究責任者 
大分大学医学部消化器内科学講座       助教    小坂聡太郎  
研究分担者 
大分大学                  特別教授   村上和成
大分大学医学部消化器内科学講座       准教授    水上一弘
大分大学医学部消化器内科学講座       助教     小川竜
大分大学医学部消化器内科学講座       助教     福田健介
大分大学医学部高等医療人育成講座      講師     平下有香
大分大学医学部消化器内科学講座       特任助教   堤康志郎
大分大学医学部附属病院消化器内科      病院特任助教 福田昌英
大分大学医学部先進医療科学科        教授     兒玉雅明
大分大学医学部消化器内科学講座       特任助教   佐上亮太

【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
  電 話:097-586-6194
 担当者:
大分大学医学部消化器内科学講座 助教 小坂聡太郎(おざかそうたろう)