本院で消化管に潰瘍を指摘された患者様へ
~ヘリコバクター・ピロリ除菌前後の組織学的胃炎と血清学的変化についての検討への使用のお願い~
当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、通常の診療で得られた過去の記録を用います。このような研究は厚生労働省の定めた「臨床研究の関する倫理指針」の規定により、研究内容の情報を公開することが必要とされております。この研究に関する問い合わせ等がありましたら、以下の「問い合わせ先」へご照会ください。
【研究課題名】
骨髄異形成症候群(MDS)に合併した腸管潰瘍と腸管ベーチェット病(iBD)、単純性潰瘍(SU)の比較
【研究の対象】
この研究は以下の方を研究対象としています。
・2008年1月1日から2023年9月30日の間に、当院で加療された骨髄異形成症候群(MDS)患者さんのうち、消化管(口腔~肛門)に潰瘍を指摘された患者さん。及び腸管ベーチェット病、単純性潰瘍と診断された患者さん。
【研究の目的・方法について】
ベーチェット病は口内炎、陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状を伴う疾患であり、本邦を始めとした地域に多い事が知られています。ベーチェット病は消化管に潰瘍を作る場合があり、腸管ベーチェットと呼ばれています。また、腸管ベーチェット病とよく似た潰瘍がありますが、腸管以外のベーチェット病症状を伴わない病気を単純性潰瘍と呼びます。
一方、骨髄異形成症候群(MDS)とは赤血球、白血球、血小板などの、血液細胞の元である、造血幹細胞に異常が起こり、細胞の成熟が未熟なままで止まったり、細胞が壊れたりして血液細胞が減ってしまう病気です。MDS患者さんのごく一部に消化管潰瘍を合併する事が知られています。消化管潰瘍を合併したMDS患者さんの特徴として、特定の染色体異常が多い、非常に治療抵抗性で予後が悪い、骨髄移植が有効であった、等が報告されています。また、この潰瘍は腸管ベーチェット病や単純性潰瘍に似ているので、これらに準じて治療されていますが、患者さんの数が少ないため、本当はどの様に治療するべきか分からない事がたくさん残っています。
本研究では、消化管潰瘍を合併したMDS患者さんの特徴や行われた治療、及び予後を腸管ベーチェット病/単純性潰瘍患者さんのものと比較することによって本疾患の特徴について今までの診療記録を参照する事によって検討します。本疾患は希少疾患でありますが本邦に多く、予後が悪い事が知られており、その特徴を明らかにする事によって診断精度を向上したり、治療方針を立てやすくなる事を期待しています。
研究期間:西暦 2018 年 10 月 1 日 ~ 西暦 2023 年 9 月 30 日
【使用させていただく情報について】
本院におきまして、既に消化管潰瘍を指摘された患者さんの臨床情報(HLA,CRP等の血液検査所見、染色体検査所見、内視鏡写真などの画像所見、骨髄の病理所見、病気の経過など)を医学研究へ応用させて頂きたいと思います。これは大分大学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認され、大分大学医学部長の許可を得ています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、匿名化したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。
【使用させていただく情報の保存等について】
本研究で収集した診療情報は本研究の論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。
【外部への情報の提供】
本研究で使用した試料や情報を他の機関へ提供することはありません。
【研究組織】
【本学(若しくは本院)における研究組織】
所属・職名 氏名
研究責任者 大分大学医学部附属病院消化器内科 医員 園田 光
研究分担者 大分大学医学部消化器内科学講座 教授 村上 和成
大分大学医学部附属病院卒後臨床研修センター 准教授 水上 一弘
【既存試料・情報の提供のみを行う機関】
アルメイダ病院 消化器内科 井上 邦光
大分県立病院 消化器内科 本田 秀穂
大分赤十字病院 消化器内科 都甲 和美
広島赤十字・原爆病院 総合内科 田利 晶
南海医療センター 消化器内科 和田 蔵人
【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来薬物などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
【研究資金】
本研究は、公的資金である大分大学医学部消化器内科学講座の寄付金を用いて研究が行われ,患者さんの費用負担はありません。
【本研究に係る利益相反について】
この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。
【研究の参加等について】
本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。また、すでに該当患者様が亡くなっている場合や、意思を表示する能力が無い場合など、ご本人による拒否が困難で、ご家族の方が参加を拒否される場合は、二親等以内のご家族の方より参加の拒否を承ります。
【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
担当者氏名:園田 光 (研究責任者)
連 絡 先:大分大学医学部消化器内科学講座
電話:097-586-6193
FAX :097-586-6194